アストン・ヴィラが、今冬の移籍市場でレンタル契約でバルセロナから加入していたMFフィリペ・コウチーニョを完全移籍で獲得したことを正式発表した。
両者の契約期間は2026年まで。コウチーニョ獲得に投資した移籍金は非公開とされている。
2018年1月にリヴァプールを強引な形でバルセロナへ新天地を求めたコウチーニョ。
バルセロナで悲願のチャンピオンズリーグ制覇を目指しスペインへ新天地を求めたが、バルセロナのプレースタイルにフィットせず、同時に負傷の影響などもあり多くの試合でベンチを暖める日々が続いた。
近年はベンチ入りすることが困難となり、同時に選手が受け取る高額なサラリーがクラブ経営の大きな負担となり批判を集める存在となっていた。
バルセロナで出場機会を確保できなかったコウチーニョは、19-20シーズンにレンタル契約でバイエルンに在籍。
バイエルンで徐々に出場機会を掴み本来のパフォーマンスを取り戻し、バルセロナへ復帰しロナルド・クーマン前監督の下で中心選手の一人として起用されていたものの、シーズン途中に左膝を負傷。
その後の検査結果で、試合で負った負傷はシーズンを絶望とさせる負傷であったことがわかり、20-21シーズンを棒に振ることとなる。
その後、クラブの経営状況の悪化で2021年夏の移籍市場で放出候補筆頭にリストアップされたものの、高額な移籍金がネックとなり買い手が現れずバルセロナに残留。
若手選手の台頭などもあり、出場機会に恵まれなかったコウチーニョに訪れたチャンスが、2022年冬の移籍市場でプレミアリーグ復帰の便りだ。
コウチーニョ獲得に関心を示したのが、スティーヴン・ジェラード監督の下で躍進を続けていたアストン・ヴィラ。
バルセロナ側もロナルド・クーマン監督からシャビ・エルナンデス監督へ政権交代が行われたことでコウチーニョが構想外となり、冬の移籍マーケットでの売却を目論んでいたため、両クラブの思惑が一致し交渉が大きく前進。
バルセロナとアストン・ヴィラの間で半年間のレンタル契約が取り付けられコウチーニョのプレミアリーグ復帰が決定した。
ただ、バルセロナでフィジカルコンディションを大きく崩したコウチーニョが本来のパフォーマンスを披露できるか大きな不安を抱えてのプレミア復帰となったが、最終的にプレミアリーグ16試合に出場し4ゴール3アシストと大車輪の活躍。
とりわけ印象的だったのが、リーグ第22節のマンチェスター・ユナイテッド戦で得点をマークしたこと。
敗戦濃厚の試合で試合終了が目前に迫る後半37分に値千金の同点ゴールを叩き込み、勝点1を獲得する偉業を成し遂げえた。
アストン・ヴィラは、チーム合流以降のコウチーニョのパフォーマンスを高く評価。
保有権を持つバルセロナは、今夏の補強に向け資金捻出を画策しておりコウチーニョを売却リストにリストアップし買取先を探していた。
両者の思惑が完全に一致し、アストン・ヴィラがバルセロナと接触しコウチーニョの完全移籍に向けた交渉をまとめ上げた。
前述の通り移籍金は非公開。
だが、ヴィラとバルセロナのレンタル契約には買取オプションが付帯されており、完全移籍の際は5000万ユーロの移籍金の支払いが必要になる条項である。
ただ、バルセロナは今夏にコウチーニョを是が非でも売却したく、移籍金を1500〜2000万ユーロまで減額する用意があったと伝えている。
バルセロナは、今夏の補強に向け人件費に空きを作る必要があるため、コウチーニョの高額なサラリー負担から逃れられるなら移籍金を大幅に減額していると想定される。
事前の報道通り、最大で2000万ユーロ前後の移籍金で取引が合意したのではないかと推察する( ソースがなくて残念なのだが )。
無事、アストン・ヴィラ移籍が決定したコウチーニョ。
コウチーニョの完全移籍に際し、クラブを率いるスティーブン・ジェラード監督が次の通りコメントしている。
「 クラブにとって素晴らしい契約だ。フィルは模範的なプロフェッショナル。1月に加入して以来、チームに与える影響は非常に明確だ。ピッチ内外を問わず素晴らしい振る舞いをしており、彼の経験は若い選手に恩恵を与える。貴重なロールモデルだよ。来季に向けての重要な戦力であり、クラブが下した迅速な決断は素晴らしいものだ 」
ジェラード監督からも高く評価されており、大きな負傷などがなければ、向こう数年はチームを牽引する選手としてピッチを躍動する姿を見ることができるかもしれない。
アストン・ヴィラ
ブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョを完全移籍で獲得を正式発表
2026年までの契約で合意https://t.co/jIYfiVBW5z— 海外サッカー移籍情報 (@soccer_Infor) May 12, 2022