フェルナンド・イエロ監督辞任のスペイン代表、新監督候補にラファエル・ベニテス監督が浮上

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 ロシア・ワールドカップ決勝トーナメント1回戦で敢え無く敗退したスペイン代表。
 早期敗退の要因は、本大会開幕前日に欧州予選を無敗で走り抜けてきた代表を牽引してきたフレン・ロペテギ氏を解任という愚行を冒したことだ。

 

 後任に着任したフェルナンド・イエロ監督も、代表の早期敗退の責任を取る形で退任を表明。
 イエロ氏は、指揮官退任後サッカー協会でスポーツディレクター職に復帰する予定にある。

 

 そのため、スペインサッカー協会は、新監督人事に急ぐ必要がある。
 MFアンドレス・イニエスタが代表から引退し、中心選手として活躍する選手が30代前後と高齢化問題を解決しなければならない。

 

 多くの問題を抱えたまま、EURO2020そしてカタール・ワールドカップに挑戦するのは無謀であり、新監督には就任1年目に近未来のプロジェクト構築という大きなミッションを課せられることになるのは間違いない。

 

 現状を受け、スペインサッカー協会は新監督候補にニューカッスを率いるラファエル・ベニテス監督に白羽の矢を立てたという。

 

 近年はニューカッスル再建のプロジェクトに邁進し、昇格や降格を繰り返している。
 ニューカッスルでは、大胆な若手選手の起用などチームを改革し自らのチームカラーを植え付け常勝軍団構築の足がかりという大きなミッションに挑戦している。

 

 この功績を高く評価するサッカー協会がベニテス監督と接触を試みようとしているところだ。
 サッカー協会がベニテス監督を高く評価。

 

・ スペイン人であること
・ 国際経験が豊富であること
・ 欧州カップ戦でタイトルを獲得したことがあること

 

 指揮官としてのキャリアは十分すぎるものだ。
 今後、公式に接触していくことが予想されているが、時すでに遅しといった感じか。

 

 プレミアリーグ開幕を約1ヶ月後に大舞台を控える状況を冷静に考えると、ニューカッスルは門前払いの姿勢だろう。
 さらにベニテス監督が代表監督就任にさほど魅力を感じていない点も気になるところだ。

 

 魅力的なサッカーを展開し続けるスペイン代表だが、他国チームの対策も進化しており、EURO2012、南アフリカ・ワールドカップと国際主要タイトル連覇を成し遂げた当時のスタイルとは大きくかけ離れているというのが現状か?

 

 長きにわたり構築し続けてきた“ チキタカ ”スタイルを2ランク以上に引き上げる必要があることは間違いない。
 その点を考えれば、ベニテス監督は理想と現実を誰よりも冷静に判断し、行動に移すことができる貴重な人材。

 

 2015年夏に周囲の猛烈な反対を押し切りレアル・マドリーの指揮官に就任。
 その後、結果がついて来ず周囲の圧力に押し切られる形で半年後に指揮官を辞任。

 

 だが、ベニテス監督はマドリーというクラブを改革する意気込みでミッションに当たっていた。
 事実、選手層の薄かった控え組やスタメン陣の弱点を改革するなど、改革派として大きな動きを見せた。

 

 今をときめくルーカス・バスケスを世に送り出す下作りを行っ他のが誰であろうベニテス監督だ。
 チキタカの精密さが欠け、過去よりもパススピードが落ちパス回しをおこなているだけの現状では、地球一のサッカーの最低んであるワールドカップで勝ち抜くことは困難だといっても言い過ぎではないだろう。

 

 いわゆるスペイン代表のピッチには、ブラックホールが現れては消え、また現れては消え…
 負のループが繰り返されているのが実情。

 

 これを解決できる人材は、非常に少ない。
 ベニテス監督が押される理由の一つは、スムーズな世代交代を断行する交渉力、選手の能力を活かしたポジションへの配置など、柔軟性に富んでいるところか。

 とはいえ、ベニテス監督招聘は、やはり諸刃の剣だ。
 チーム一丸になれば、無類の強さを発揮するチームへと変貌するが、試合に集中しきれていない場合、あっけなく負けてしまうというデメリットもある。

 

 だが、ワールドカップを代表するメジャー大会の多くは、予選通過した時点でノックアウト方式での勝ち抜けにルールが変化する。
 長いレギュラーシーズンでは、大きな結果を残すことを苦手の印象を持つベニテス監督だが、カップ戦には無類の強さを発揮する。

 

 そう、特にチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグで無類の強さを発揮するクラブへ豹変するのだ。
 協会が、この部分をどのように評価しているかは不明だが、ジンクス的な位置ずけとして考えているのであれば、現在のスペイン代表には理想的な人材なのかもしれない。

 

 できうることならば、長年築き上げてきた“ チキタカ ”を一旦破棄し、“ New チキタカ ”の構築を模索しても良いのかもしれない。
 そもそもリーガエスパニョーラで活躍するスペイン代表候補がパス主体のサッカーを展開していない以上、チキタカを継続していくことにも疑問が残る。

 

 バルセロナのルイス・エンリケ前監督を押す声もあるようだが、監督として輝いたキャリアはバルセロナ在籍中のみ。
 その点を考慮すれば、ベニテス監督の方が一歩リードといったところか?

 

 これまで、所属クラブを転々としロッカールームを仕切っていたビッグネームと良好な関係を構築し続けてきたベニテス監督。
 唯一の失敗は、レアル・マドリー在籍中に結果がついてこないタイミングで選手側が猛反発したことだろう。

 

 まぁ、この騒動が発端となり“ 解任 ”という憂き目に遭ってしまうのだが。
 抜本的にシステムやスタイルを変更するのなら、このタイミングが理想。
 事実、ロシア・ワールドカップでのスペイン代表のパフォーマンスは、南アフリカ大会で優勝した時と比較しても、

 

・ パスの精度
・ 選手間の距離
・ パススピード
・ ゴール前を固める相手DFの対応
・ チーム全体に伸び代を感じられないetc

 

と、問題は山積。
これをいかにして解決するかが問題であり、ルイス・エンリケ氏では難しいのではないかと考える。

 

だが、ベニテス監督は、現時点で代表監督就任に興味を示していない。
そう、新たな魅力のあるオファーが他クラブから届かない限り、ニューカッスルを離れるつもりはないようだが。

 

 

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