好調ユヴェントスを陰で支え続けたジュゼッペ・マロッタGMが25日に退任へ

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 ユヴェントスのゼネラルマネージャー就任以降、チーム強化に尽力を注ぎ続けてきたジュゼッペ・マロッタGMが、現地時間25日を持って契約満了に伴いクラブを退任することが明らかにされた。

 

 2010年にユヴェントスで幹部を務めてきたマロッタGM。
 事実上、戦力補強の全権を託されチーム強化に尽力してきた。

 

 在任期間8年の間でマロッタGMが獲得した選手は数知れず、リーグ7連覇、コッパ・イタリア4回、イタリアスーパーカップ3回のタイトルを獲得。
 唯一足らないのはチャンピオンズリーグのトロフィーだけであるものの、それも2度にわたりファイナリストへ進出するなどそれなりの結果を残してきた。

 

 マロッタGMは、クラブの決断について自らの口で次の通り説明した。

 

「 クラブ側からの要請だ。ユヴェントスへの愛情があるので、私は従うことに決めた。私自身、これまで100%の力を出して貢献してきたつもりだ。後任の者も同様に努力してくれるだろう。これまで8年間、素晴らしい感動の時間を過ごしてきた。だからこそ痛ましい決断だった。ユヴェントスでは、若手幹部を育てることができたこともあり、特別な場所だった。アンドレア・アニェッリ会長が経験を積んでいく上でもサポートしてきたつもりだ 」

 

「 他のビッグクラブと契約する可能性は排除しないが、FIGCの可能性はない。シーズン途中で職を降りるのは初めてのことだが、休養も必要かも知れない。それでも40年間、クラブで仕事を続けてきたこともあり、19-20シーズン開幕には、別のチームでスタートを切りたい 」

 

 2006年夏、イタリア全土を揺るがしたカルチョ・スキャンダルの首謀者として大きく非難を浴びたユヴェントスの幹部たち。
 経営陣一新と同時にセリエB降格という厳しい罰則が与えられ、文字通り“ ゼロ ”からの出発を余儀なくされた。

 

 1年でセリエA昇格を果たすものの、その後の成績は振るわない。
 無論、戦力補強もうまくいかず低迷していた当時、幹部はマロッタGMとの契約を決断。

 

 自身の巧みな交渉能力とコネクションを存分に活用し着実にクラブの強化に努めてきた。
 就任初年度は成績は振るわなかったものの、これは実質前任者が行った仕事であり、本領を発揮し始めたのはよく夏からの話だ。

 

 その後は、もうご存知の通り前人未到のセリエA7連覇など国内タイトルを総なめにし、国内トップのクラブに再び上り詰めた。
 その礎にマロッタGMの存在があったことは言うまでもない事実。

 

 とはいえ、近年のマーケットでは結果を重んじるばかりベテラン選手獲得が多く、若手選手も同時に獲得するもののチーム内の世代交代が一向に進まずマロッタGM体制での大きな課題が浮き彫りとなっていたのは事実。

 

 今回、契約を再締結しなかった理由は、この点にあるのかも知れない。
 なによりディレクターとしての能力は素晴らしい人物だけに、フリーとなれば他クラブから多くのオファーが届くことは間違いない事実なんだろうが。

 

 GM変更で、新生ユヴェントスがどのような形で変化していくこととなるのか注目が集まりそうだ。

 

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