レアル・マドリー所属のFWクリスティアーノ・ロナウド。現在クラブと締結している条件に不満を示し、古巣マンチェスター・ユナイテッド移籍を示唆するコメントを残し物議を醸してきた。
C・ロナウドは、昨季終了時点でクラブと契約を見直す方向で調整を続けてきた。
2017年中に交渉が成立するとみられていたが、2018年を迎えた現時点でクラブ側からの正式なオファーは届いていないという。
同選手が何より苛立ちを感じてるのが、マドリーが支払うサラリーの問題だ。
バロンドール賞を5回受賞したC・ロナウド。
目下のライバルであるバルセロナ所属のFWリオネル・メッシが、2017年11月に締結した新契約で4600万ユーロのサラリーを締結し、今夏の移籍市場でバルセロナからパリ・サンジェルマンへ移籍したFWネイマールが3700万ユーロのサラリーを受け取っていることに苛立ちを隠さない。
なによりも名実ともにライバル関係にあるメッシと大きく水をあけられた現状に不満を持っている。
現在、マドリーはC・ロナウドと最大2500万ユーロのサラリーを支払うことで合意している。
メッシそしてネイマールに、サラリーで大きく水をあけられた感のあるC・ロナウドは、さらなる待遇改善をクラブ側に求め移籍も辞さない構えで交渉を進めている。
とはいえ、マドリー側も考えるものはあるだろう。
近年のC・ロナウドは、かつての勝負強さや存在感を見せることができていないのは事実。
加齢によるフィジカルの低下や、得点力の低下、試合の流れを止めるプレースタイルなど、同選手に寄せられる批判は少なくない。
フロレンティーノ・ペレス会長を筆頭としたクラブ首脳陣も、C・ロナウド売却止む無しの姿勢を見せ、来夏の移籍市場で高値で売却という筋書きを描いていたことは間違いない。
とはいえ、受け入れ先最有力候補と目されていたユナイテッドが、C・ロナウド獲得に消極的な異性を見せ始めた。
ネイマール獲得に向けパリSGとの取引にC・ロナウドを譲渡するプランも検討されるなど、マドリー退団が現実味を帯び始めているのは事実。
だが、商業的側面でも大きな恩恵を受けることができるC・ロナウドのブランド力を落とすことは、マドリーにとって得策ではなく慰留を前提とした契約の見直しに着手しているようだ。
報道によると、マドリーはC・ロナウドに対し年俸3000万ユーロの新契約を準備しているという。
今回の報道が事実であれば、サラリーの大幅アップが見込めるが、選手側は最後まで“ この条件 ”をよしとしないだろう。
なにより、メッシがバルセロナで受け取るサラリーとは大きな乖離があるからだ。
クラブのアイデンティティであり、攻撃の中心選手であり、未だ世界屈指のフォームを保ち続けるメッシとは異なり、C・ロナウドのパフォーマンスは低下の一致をたどっている。
マドリーとの現行契約を全うした時点で36歳を迎えるC・ロナウド。
今季途中に33歳を迎えるが、現在の結果を考えると契約更新の席にクラブがつくことすら疑問。
マーケティングや商業面を考えると、まだまだドル箱の選手であるC・ロナウドを残留させておくという選択肢なのかもしれないが、本業の面に関しては好調をキープするルカ・モドリッチやトニ・クロース、イスコなどと比較すると大きく見劣りがする。
数年前から指摘されていたビッグマッチでの勝負弱さは顕著であり、得点は隠した相手から奪ったものばかりである。
結果は、数字が物語っており今季リーグ戦で8得点と寂しい結果しか残せていない。
今季リーグ優勝は事実上絶たれた現状で、唯一のタイトルであるチャンピオンズリーグ3連覇を逃した時点で、現スカッドには大きなメスを入れる良いタイミングであることは間違いない。
最終決定者であるペレス会長は、負け戦を好まない人物でありC・ロナウドと契約を延長することは、何らかの意図があると推測する。
これまで、幾度となく退団を臭わし自身の契約の見直しをクラブに要求し続けてきたC・ロナウド。
この手法も、すでに限界を感じるところもあるが、マドリーは同選手からの最後の通達である今回の申し出を受け入れ契約を延長することとなるのか注目が集まりそうだ。