アトレティコ・マドリー所属のFWアントワーヌ・グリーズマン。今季、深刻な得点力不足で苦しいシーズンを過ごしている。
今季終了後にアトレティコ退団が既定路線とされているグリーズマンに対し、バルセロナが獲得に向け準備を進めているようだ。
今夏の移籍市場で18歳以下の選手獲得と登録に関する規定違反により、補強禁止処分が言い渡されたアトレティコ。
マンチェスター・ユナイテッド移籍濃厚とされてきたが、同選手がチーム残留を決断し、この決断が最大の補強とファンや関係者は安堵したところだろう。
しかし、グリーズマンが置かれている状況は改善しない。
昨季までチームの絶対的エースとして君臨した同選手だが、今季その輝きを見いだすことができない。
クラブ首脳陣に考えは予測不能な状況に。
エンリケ・セレソ会長とミゲル・アンヘル・ジル・マリンCEOは、チームの貴重な得点源であるグリーズマンをあと1シーズン残留させようとしていた。
この動きを顕著に表すのがグリーズマンとの契約内容の見直しだ。
選手に対しサラリーを増額し、2018年7月1日までの契約解除金を1億ユーロから2億ユーロまで引き上げている。
だが、今季のパフォーマンスで状況は一変することになるかもしれない。
あれほど盛んに報じられ続けてきたユナイテッドが、ここにきて他選手にターゲットを変更している可能性が示唆されている。
昨季終盤に報じられ続けてきたグリーズマンのユナイテッド移籍報道だが、最近は全くもって音沙汰なし。
ユナイテッド側は契約解除金が減額される2018年7月1日以降に交渉を成立させるべく、虎視眈々と準備を進めているからなのかもしれない。
とはいえ、やはりグリーズマンだ。
ここにきてネイマール売却益で潤うバルセロナが、同選手獲得に向け水面下で動きを続けているという。
ネイマールという将来の絶対的エースをパリ・サンジェルマンに強奪され、相思相愛の間柄であったリヴァプールのMFフィリペ・コウチーニョ獲得に失敗したバルセロナ。
今夏の移籍市場で2億ユーロを投資しグリーズマンを獲得するプランはなかった。
2億ユーロという巨額の移籍金を1人の選手に投資するという選択肢がなかったからだ。
だが、来夏は状況が異なる。7月1日以降、1億ユーロの移籍金で交渉を進めることができる。
クラブの金庫には、ネイマール売却で得た資金の半額は残っているとされている。
高齢化が懸念されるバルセロナにとって、ネイマールに変わる新たなエース獲得は必須。
そのためのグリーズマンを獲得は理想的なプランだ。
すでに交渉を円滑にすすめるために、外堀を固める作業に注力。
まずは、選手との個人合意だ。バルセロナにとって、正式な個人合意を実現できなかったとしても、口頭合意、最悪の場合は同選手と握手を交わすだけでも良いと考えている。
アトレティコが、国内のライバルチームに中心選手を簡単に売却することは考えにくいが、グリーズマンにとって次なるステップアップに向け外堀は埋まり始めているのが現状だ。
グリーズマンがロシア・ワールドカップで大きなインパクトを残せば、獲得を望むクラブの数はさらに増えるだろう。
熾烈な争奪戦に巻き込まれる前に、交渉をいち早く完了させておきたいバルセロナだが、グリーズマン獲得を実現させることとなるのか注目が集まりそうだ。