新監督人事報道が盛んに報じられるチェルシー。ジネディーヌ・ジダン氏の指揮官招聘に近づきつつあるのかもしれない。
チェルシー
新指揮官にジネディーヌ・ジダン氏招聘を加速招聘の条件は、
・エデン・アザールの残留
・2億ユーロの補強資金ともhttps://t.co/gqDpsTmwMh— 海外サッカー移籍情報 (@soccer_Infor) February 19, 2019
現地時間18日に行われたFAカップ5回戦のマンチェスター・ユナイテッド戦で敗退し、後半戦の成績が思わしくないことからマウリツィオ・サッリ監督の解任が盛んに報じられている。
チェルシーは、すでに後任人事に着手しているとの報道もあり、ジダン氏招聘が有力との報道も。
なにより、レアル・マドリー指揮官時代に前人未到のチャンピオンズリーグ3連覇を導いたジダン氏の手腕を高く評価するチェルシー。
プレミアリーグでの復権と、欧州の舞台での躍進に注力しており名将招聘を画策。
ただ、招聘は道半ばだろう。
ジダン氏が突きつける高い条件はチェルシーにとって足かせとなることは間違いない。
ジダン氏がチェルシーに求める条件とは?
ジダン氏がチェルシー側に求める条件のハードルは高い。
・補強資金2億ユーロ
・エデン・アザールの残留
この2点。
近年、財政健全化を推し進めるチェルシーはマーケットで大きな投資を控えてきた。
昨年夏の移籍市場でGKケパ・アリサバラガ獲得に投資した7100万ポンドの移籍金が近年では最大だ。
とはいえ、この補強は必要に迫られた投資であり、成長曲線を導く補強でないことは間違いない。
2億ユーロの補強予算を計上してもチェルシーに獲得できる選手は少ない?
問題は、補強予算ではないだろう。
指揮官が求める戦力を、クラブ側が獲得できるかどうかが問題だ。
仮に、ジダン氏がチェルシーの指揮官招聘オファーを快諾したとしても、同氏が求める選手を獲得できるかどうかは未知数。
チェルシーを取り巻く状況はプレミアリーグトップ6の中でも難しい状況にある。
ジョゼ・モウリーニョ氏、アントニオ・コンテ氏と結果を追求するタイプの指揮官が次々と招聘されたものの、指揮官との戦力補強の問題が表面化してきたのも事実。
チェルシーのフロントには、ビッグネーム獲得できるだけの交渉力が残されていないのかもしれない。
11-12シーズンにチャンピオンズリーグを制覇して以降、クラブの戦力補強が瞑想している点も気がかり。
ロマン・アブラモヴィッチ会長就任以降、指揮官が頻繁に変わっている点も大きな要因だろう。
補強指針と指揮官人事の乖離が低迷の大きな原因
将来性の高い若手選手の大量保有は悪い話ではないと感じる。青田買いは欧州のマーケットではトレンド。
問題は、チーム内で育成させるだけの育成力が問題だ。
現在、チェルシーに在籍する大多数の選手がいわゆる“ 外様 ”ばかり。
レンタル復帰組は少なく、補強指針は失敗と判断できる。
大きすぎる問題をジダン氏が解決できるかと問われれば、大きな疑問が残る。
マドリーで露呈した育成能力の低さ。
ここ数年、リーグ戦で結果を残すクラブの多くは少なからず育成に力を注いでいる。
マンチェスター・シティ、トッテナム、リヴァプールなど。
フロントに現場の意見を忠実に吸い上げ、実現できるだけの力のあるクラブが結果を残している。
チェルシーに、どこまで現場の意見を再現させるだけの力があるかが大きく問われる時期なのかもしれない。
エデン・アザールの残留
アザールの去就。これが一番の問題かもしれない。
チームの中心選手で絶対的エースに君臨するベルギー代表MFの去就は、チーム力を推し量る大きな材料となる。
ジダン氏は、とりわけアザールを高く評価している。
マドリー指揮官就任前からアザールを評価するコメントを幾度となく発し続けてきたことは明らか。
ただ、移籍を幾度となく公言するアザールをクラブに留めることはリスクだということは間違いない。
28歳を迎えたアザール。
選手として充実したキャリアを過ごせるのは、残り数シーズン。
選手自身もステップアップを模索しており、2020年まで締結する現行契約の延長を保留し続けているのが現状。
説得することができたとしても…
そもそも、ジダン氏はプレミアリーグに魅力を感じていない
招聘の大きな障害は、プレミアリーグにジダン氏が大きな魅力を感じていない点だ。
マンチェスター・ユナイテッドが盛んにジダン氏招聘に向けての動きが報じられたが、最後までジダン氏は首を縦に振ることはなかった。
過渡期にあるユナイテッドの現場も考えられるが、プレミアのスタイルに大きな魅力を感じてないというのがもっぱらの噂。
ジダン氏自身のキャリアプランは別にあることは事実。
2019年には現場復帰を目論むジダン氏は、ユヴェントスの指揮官就任を望んでいるとされる。
だが、マッシミリアーノ・アッレグリ監督の去就が定まらない。
去就の最終判断は、チャンピオンズリーグの結果次第とも言われており、最悪シーズン終盤まで去就は縺れる。
準備期間なども考慮すれば、2~3月には去就を決めておきたいのがジダン氏の思惑だろう。
それらのことを考えれば、このタイミングでチェルシーからオファーが届けば… といったところか?
マドリーでは、整備された戦力とシステムに微調整を加えることで結果を残し続けてきたジダン氏。
的確な采配なども高く評価されたが、革新的な戦術などをみせることはなかった印象。
チェルシー指揮官に就任することとなれば、ジダン氏にとって勝負の任期になることは間違いない。
まさしくゼロからのスタートとなるだけに、オファーに二の足を踏んでいることは容易に想像できるが果たして。