これまで頑なに今冬の移籍市場での補強を否定し続けてきたレアル・マドリー。クラブを率いるジネディーヌ・ジダン監督が冬のマーケットについて『 どんなことでも起こり得る 』と発言したことで、補強の動きが加速している。
クラブ首脳陣は、ジダン監督が束ねているチームの現状に満足していない。
チャンピオンズリーグ連覇、大逆転でのリーグ優勝に向け現スカッドを大幅にテコ入れすることを選択肢の一つとなっているようだ。
これまでマドリーは、冬のマーケットでの補強は消極的な姿勢であった。
だが、クラブが抱える大きな問題を解決すべく、禁断の手を打ってでるかもしれない。
今夏の移籍市場で大型投資を行わなかったマドリーには資金力がある。
クラブフロント、現場と補強ポジションの調整は終わっている。
マドリーが補強を検討しているポジションは、GK、CB、FWの3つのポジションだという。
特にGKの補強は可及的速やかに行わなければならず、複数のビッグネームをリストアップしている様子。
戦力の入れ替えの最終決定権を持つフロレンティーノ・ペレス会長は、GKケイラー・バナスを評価していない。
この点に関しては、ジダン監督と意見が食い違っており、ナバスを退団に追い込みたいペレス会長と正守護神として起用し続けたいジダン監督。
だが、今季負傷の影響でコンディション維持に苦慮しており、パフォーマンスも不安定。
これまで、度重なる凡ミスを繰り返していたナバスだが、最近の試合ではさらに顕著に。
ペレス会長は、すでにダビド・デ・ヘアやティボ・クルトゥワ、ケパ・アリサバラガといった選手をリストアップしている。
いずれの選手の引き抜きも困難であることは現状であり、マーケットをいかにして渡り歩くか注目が集まる。
一方で、大きなひずみを抱えているのがFWのポジションだ。
自慢の“ BBC ”がリーグ戦で揃った試しはなく、クリスティアーノ・ロナウドの低調なパフォーマンス、カリム・ベンゼマの繰り返す負傷や得点力の低下など、大きな問題を抱えているポジションだ。
ジダン監督は、スペインスーパーカップでバルセロナを撃破した攻撃陣を必要以上に過信したことが、大きな足かせに。
昨季、控えという難しいポジションをこなしつつ、結果を残してきたアルバロ・モラタをチェルシーに売却するという暴挙に出たのも大きな痛手の一つだ。
無類のストライカー好きのペレス会長が、ここ数年攻撃陣に新戦力を獲得してこなかったことは奇跡に近い。
無論、シーズン途中のビッグネーム獲得は非常に難しいことは事実だが、マドリーというブランド、そして資金力を考えれば不可能なミッションはないのかもしれない。
来夏の移籍市場での獲得でリストアップしていたインテル所属のFWマウロ・イカルディの早期獲得に動くとしており、今後の動きは注目が集まっている。
なお、補強が必要なポジションで唯一緊急性が低いのがCBだ。
セルヒオ・ラモスとラファエル・ヴァランが健在で、その控えを務めるヘスス・パジェホのプレーにも一応の満足感を得ているクラブ首脳陣。
マルチプレーヤーのナチョ・フェルナンデスも控えており、一応の形は取り揃えているのが現状だ。
だが、単純な攻撃を防ぐことができず失点を喫するシーンが散見される試合も多いため、マーケットそして資金の状況によってはCBの補強に打って出てもおかしくないだろう。
何れにしても冬のマーケットでの補強を否定し続けてきたマドリー。
冬という絶妙なタイミングでビッグネームをクラブに招き入れるためには、早めのリクルーティングが必要であり、クラブ首脳陣が“ ウルトラC ”を見せることができるか注目が集まりそうだ。
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