バルセロナ所属のFWリオネル・メッシ。今夏の去就が注目されたメッシが、クラブ残留を表明した。
昨季、12シーズンぶりの無冠でシーズンを終えたバルセロナ。
昨季途中からホロコビが目立ち始めピッチ内外の問題を多く抱えたことが一つの要因とも言われている。
クラブフロントは、チーム改革に向けクラブを率いていたキケ・セティエン前監督を解任。
チーム改革の旗印としてロナルド・クーマン監督を招聘し、これまでクラブを支え続けてきたベテラン選手の大量解雇を宣言。
これを受け、メッシがいち早く反応し、クラブ退団を示唆。
バルセロナに対し、現行契約に付帯する契約解除条項を示唆しクラブに契約解除を求め続けている。
この申し出に対しクラブ側は契約解除条項は期限切れで移籍を望むなら移籍金が発生することを強調。
いちクラブの問題にラ・リーガが介入するなど大きな問題へ発展していき、最終判断は司法の場に委ねられるのではないかとみられていた。
スポーツ仲裁裁判所での法廷論争が見られるかとも思われたが、メッシ側が翻意。
自身の胸中を次の通り説明した。
「 年間を通じて( ジョゼップ・マリア・バルトメウ )会長には退団の意思を伝えていた。クラブには若い人間が必要だと思っていて、バルセロナでの時間は終わったと感じていたんだ。トレーニング、試合、ロッカールーム…、多くの苦しみを感じた難しい年だった 」
これと同時に、メッシはバルセロナの選手であるがゆえの政治的側面にも苦しみながらも、「 それでもバルセロナへの愛は変わらない 」とクラブへの忠誠心を垣間見せた。
だが、これまでの小さな綻びが今夏に修復不能なまでの大きな溝へと変化。
すでに関係性を修復することは困難な状況にあり、今夏の退団を示唆したのはこれまでの報道通り。
契約に付帯されていた契約解除条項の行使を主張したものの、クラブの答えはこれまでの動きと同様、フタをする姿勢に。
業を煮やしたメッシだが、最終的に『 裁判をするしかなかった。でもそれは僕に全てを与えてくれた愛するクラブ、人生のクラブに対して裁判をすることで、それは僕の気持ちを超えるものだった 』と話し、残留の選択肢を省くことを決断。
今夏の決断を受け、メッシは現行契約が満了を迎える2021年にフリーでバルセロナを退団することが確実視される。
世界屈指の選手であるメッシが、愛するクラブに富をおかず退団することは異例中の異例。
バルセロナは、20−21シーズン中にメッシと契約延長に向けた交渉の席を設けることは間違い無いだろう。
ただ、近年のバルセロナの迷走、今夏のメッシ退団のフィクサーであるバルトメウ会長の辞任以外に解決策はないのかもしれない。
新シーズン開幕前にチームの大黒柱と決定的な亀裂の入った状態で、新シーズン開幕を迎えることはメッシのモチベーションが気になるところ。
メッシは、『 これまでも常に全力を尽くしてきた。常に勝利を求めているし、ロッカールーム、クラブ、そして自分のために最高を求めている。新しいコーチもやってきた。それは良いこと 』と話し、モチベーション低下の心配を微塵に感じさせることはなかった。
メッシ退団問題は、メッシが折れるというクラブにとって最悪の形で終息を迎えることになった。
メッシ残留で大きな注目を集めるのは、バルトメウ会長の去就。
辞任が当然の結果とも捉えられる状況下にあるが、仮にメッシと新契約を締結することに成功した場合、“ クラブの英雄 ”として語り継がれる存在へと持ち上げられる可能性も。
今回の問題の真のフィクサーはいったい誰なのか。
来夏に一つの答えが出されていると考えるが果たして。
リオネル・メッシ
バルセロナ残留を表明https://t.co/QOnUoHmRHg— 海外サッカー移籍情報 (@soccer_Infor) September 4, 2020