レアル・マドリーは、今冬の移籍市場で前線の刷新に注力している。深刻な得点力不足に頭をかかえるマドリーは、インテル所属のFWマウロ・イカルディ獲得の可能性を探り続けている。
シーズン途中に、セリエAで得点王を争う中心選手の引き抜きは、困難な状況にあるのはいうまでもないが、巨額の移籍金とともにFWカリム・ベンゼマを譲渡するプランを検討しているという。
すでにマドリーの幹部は、ベンゼマに絶大なる信頼をおいてはいない。
30歳を迎え近年著しくパフォーマンスを落としているベンゼマをチームにとどめておく必要はないと考えているからだ。
だが、ベンゼマ売却で最後まで抵抗するのは現場の最高責任者であるジネディーヌ・ジダン監督だ。
ジダン監督は、同郷のベンゼマを高く評価。
昨年夏にFWアルバロ・モラタをチェルシーへ、FWマリアーノ・ディアスをリヨンへ放出したマドリー。
両選手ともに、ベンゼマ中心の選手起用のジダン監督のあおりを受け新天地を求めた選手だが、新たな所属先で皮肉にも好パフォーマンスを披露している。
FWクリスティアーノ・ロナウドを軸においたチーム作りでベンゼマの存在は必要不可欠な選手であるが、両選手ともにベテランの域に達しており、限界説が囁かれ始めている。
特に、ベンゼマのプロらしからぬ凡ミスは目を覆い隠したくなるシーンが多い。
マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長は、シーズン後半戦の巻き返しに向け現スカッドに大鉈を振るう可能性はある。
補強リストのトップにイカルディをリストアップしているが、ことは簡単に振るわないだろう。
ジダン監督が高く評価するGKケイラー・ナバスのポジションにもアスレティック・ビルバオからケパ・アリサバラガの強奪を決めている。
昨年夏、ペレス会長は大型補強に着手すると噂されてきたが、ジダン監督がことごとくこれを拒否。
好循環の風が吹き続けていた当時のマドリーにとって、ジダン監督の決断は好印象にも取られてた、負のサイクルに陥った現在、ジダン監督の立場は窮地に追いやられている。
現状を打開すべく、マドリーはイカルディ獲得に本腰を入れている。インテルとイカルディの現行契約では、契約解除金が1億1000万ユーロで2021年まで契約を締結している。
一部の報道では、ペレス会長は契約解除金満額の支払いを検討しているとされているが、イカルディの残留を求めるインテルは契約更新でマドリーの動きを牽制するとの見方も。
圧倒的にCFの人材が不足しているマドリー。ベンゼマ残留に加えイカルディ獲得がジダン監督にとっては理想的な選択かもしれない。
だが、そうなればイカルディがベンチを暖めるシーンが増えるかもしれない。
それはペレス会長が許さないだろう。1億ユーロ以上の資金を投資して獲得した選手がベンチを暖めることはあってはならないことだ。
ジダン監督の意向を無視し戦力補強をクラブ首脳陣が断交すれば、新戦力の扱いをより厳しくするかもしれない。
ペレス会長を筆頭とした幹部は、ベンゼマをトレード要員として譲渡しイカルディ獲得が理想的な着地点として考えているようだが果たして。