ASローマの敏腕ディレクター、モンチ氏
マンチェスター・ユナイテッド
パリ・サンジェルマン
バルセロナ
アトレティコ・マドリー各クラブが熾烈な争奪戦を繰り広げる
ローマと契約を残すも
契約解除金の存在があり
財政難に苦しむローマは、条件次第で売却も決断か?https://t.co/q0hsUwzTOV— 海外サッカー移籍情報 (@soccer_Infor) November 6, 2018
ASローマでスポーツディレクターを務めるモンチ氏。2017年にセビージャを退団しローマのSDに就任したモンチ氏は、4年契約に1年間の延長オプションが付与された契約を締結。
ファイナンシャル・フェアプレーの影響もあり新戦力獲得には、主力選手の売却がセットの状況にあるローマ。
そんな中、就任初年度こそ目立った動きはなかったものの、2年目となる今夏の移籍市場では数多くの取引を成し遂げてきた。
ただ、この取引のインパクトは大きすぎた。
獲得する選手の小粒感に加え、売却した選手がいずれもビッグネームばかりだという点だ。
ローマは、この夏にGKアリソンをリヴァプールへ、MFラジャ・ナインゴランをインテルへ、MFケビン・ストロートマンをマルセイユへと高額な移籍金と引き換えに売却を決断。
ローマファンの間では、批判の的とされている。
昨季のスカッドを維持することができていれば、チャンピオンズリーグやリーグ戦でスクデット獲得の可能性はあったかもしれない。
ただ、ローマには乗り越えなければならない巨額の財政赤字の存在がある。
FFPの制約は17-18シーズンで終了したものの、以前ローマは巨額負債を抱えているのがげんのうで、マーケットで真に獲得したい選手に手が届かないと言った方が現実だ。
クラブ側としても、リスタートを切るべくモンチ氏と粘り強い交渉を続けてきたものと考える。
ローマのアイデンティティとモンチ氏が得意とする戦術はマッチしていると考えられ、このまま10年程度続けていくことができれば、欧州サッカー界の縮図が大きく変わっているかもしれない。
かつて、セルヒオ・ラモスがレアル・マドリーへ、イヴァン・ラキティッチがバルセロナへ、ダニエう・アウヴェスをバルセロナへと言ったビッグディールを成し遂げてきた重要な人物だ。
世界中に網の目のように張り巡らせたスカウト網を十二分に活用し、どのクラブもノーマークだった選手とプロ契約を締結してしまうほどの決断力は毒遠くのものがある。
先見の明があると高く評価されているが、私はそうは思っていない。
他のクラブが、本気で探す気になっていないからだと思うし、モンチ氏が考える育成完了後のゴールが全く異なるからだからだ。
すでに、現在のサッカーの移籍制度は代理人主導で行われていることは間違いない。
クラブが欲しい選手を代理人に伝え、その後代理人が選手のPR、順当に行けばこれで契約となるわけだが。
これでは、クラブが選手をチェックする時間は数えられるほどしかない。
代理人にも取捨選択する必要がある人物が多い。
・お金に目を眩ませている人
・選手のことを本当に思っている人
・クラブとの調整を積極的に打って出る人
などなど。
これらの対応を一気に引き受けるのがモンチ氏となるわけで。
まぁ、仕事が多いなどの話をしているわけではない。
緊縮財政に悩むローマにとって、モンチ氏とともに歩くことしか選択肢はないわけだ。
出来るだけ安く買い、チームで徹底的に育て上げ投資した資金の10倍、20倍程度で売りさばいてしまう。
これを高く評価しているのが、招聘を望む次の4つのクラブだ。
・マンチェスター・ユナイテッド
・パリ・サンジェルマン
・アトレティコ・マドリー
・バルセロナ
この中で、魅力を感じるクラブはパリSGとアトレティコの両クラブくらいだろうか?
パリSGは、トーマス・トゥヘル新監督就任後、チーム改革に着手。
即戦力獲得路線を一旦棚上げし( FFP影響下の問題もあったが )チームの底時からをつけるための動きを見せはじめている。
一方で、戦う軍団を構築するアトレティコ・マドリーもモンチ氏の再就職先にとっては理想的なポイントか?
アトレティコは、元来財政状況が豊かなクラブではないのが実情。
近年は、リーグ戦で上位をキープし、チャンピオンズリーグでも相応の結果を残すことができる湯鬼なり、スポンサーの増加やチケット収入、タイトル収入など財政が緩和しつつある。
ディエゴ・シメオネ監督就任以降、積極的な下部組織の整備に時間をかけておらず向こう数年先のチームの発展を考えるとモンチ氏は最大の功労者としての働きを見いだせるかもしれない。
一方で、苦しい状況を強いられることになりそうなのが、バルセロナとユナイテッドだ。
マーケティング至上主義で戦力補強を繰り返す現状にモンチ氏が手腕を発揮できる場所はないだろう。
総合的に判断し、モンチ氏の移籍の可能性は招聘を求めるクラブは移籍金をどこまで支払うかによるだろう。
この夏にビッグネームを高額な移籍金で売却し、昨季チャンピオンズリーグで上位進出を果たし高額な収益を得たASローマ。
だが、それでも経営は苦しいのが現状である。
モンチ氏がクラブに残れば、劇的な改善はないものの着実に経営再建とクラブ強化を同時に成し遂げることができるだろう。
ローマが、目先の資金を取るか将来のクラブ像を取るかによって、去就が注目されるわけだが、果たしてどのような選択をすることとなるか今後の動きに注目だ。