イングランド・プレミアリーグに所属する各クラブが、夏の移籍市場の閉幕日を来夏から新シーズン開幕前の木曜日とすることで合意に達したようだ。
プレミアリーグに所属する20クラブ中14クラブが変更に賛同し、2018年8月から施行されることが決定した。
この決断が、どのような方向に流れていくか動きに注目だ。
各クラブは、移籍市場が開いている国のクラブへ選手を売却することは可能であるが、新戦力の獲得は1月の移籍市場まで一切不可能となる。
イングランド国内だけに注目すれば、利点しかないだろう。
今夏の移籍市場でもアーセナル所属のMFアレックス・オックスレイド・チェンバレンやレスター・シティ所属のMFダニー・ドリンクウォーターがその一例。
リーグ閉幕直前に移籍交渉が成立し、所属していたクラブとの対戦という珍事も発生。
プレミアリーグ開幕に新戦力が間に合わないのは、クラブにとって損失でしかない。
プレシーズン中に新戦力全てを獲得し、リーグ戦に挑むのが本来の形だろう。
アーセナルを率いるアーセン・ヴェンゲル監督は、冬のマーケットそのものを否定するコメントを残したこともあるくらいだ。
各国リーグごとに開幕日がずれていることも大きな要因であるが、これを調整することは難しいのが現状である。
大きな資金が動くプレミアリーグがルールを牽引することで各国リーグも追従する形が望ましいのかもしれない。
なお、プレミアリーグの最高経営責任者であるリチャード・スクダモア氏は、マーケット閉幕前倒しについて次の通りコメントした。
「 変更を行うことの一番大きな意味は、開幕日までにチームやメンバーの準備が整い、シーズンの構想を練ることができることだ 」
至極同意だ。ただ、レアル・マドリーやパリ・サンジェルマンといったメガクラブは、マーケット閉幕直前まで交渉を執り行う慣例があり、ビッグネームが揃うプレミアリーグからの引き抜きを画策することは間違いない。
イングランド・サッカー協会の決断は、すでにセリエAの複数のクラブも支持しており、欧州前後に生協する可能性もある。
欧州サッカーをまとめる、UEFAも、ほとんどのリーグが8月にスタートすることを踏まえ、7月末に移籍市場を閉幕することについて検討するという動きもあるようだが。