トッテナム内部で一体何が起こっているのだろうか?
来夏の移籍市場でレアル・マドリーが、トッテナム所属のFWハリー・ケイン獲得に向け交渉を本格化させる方針であることは周知の事実だ。
だが、トッテナムの固いガードから、交渉は難航を極めるのではないかと見られており、トッテナムの一挙手一投足に注目が集まってきた。
オペレーションを完遂することは難しいのではないかというのがマーケットでの予想だが、ここにきてトッテナムのダニエル・レヴィ会長は態度を軟化させ始めたのかもしれない。
2017年、トッテナムの1年間で欧州5大リーグで最多得点を挙げた絶対的エースであるケインの放出は否定しづけてきた。
だが、レヴィ会長自身、ケインがトッテナムというクラブの器に収めることは事実上混んだんだと感じていることは間違いない。
チームに明確なビジョンがあるものの、選手が受け取る年俸にサラリーキャップ性を採用しており、ケインが受け取る年俸は限度額一杯である。
通常であれば、イングランド屈指のストライカーを手放すことは選択肢にないことは間違いのだが、サラリーキャップが存在する以上、トッテナムとケインの交渉がこれ以上進展することは考えにくい。
獲得に関心を示している、マドリーと取引を行うことが得策とレヴィ会長は判断したのかもしれない。
過去にMFルカ・モドリッチやFWガレス・ベイルの移籍オペレーションで破格の移籍金を引き出すことに成功したレヴィ会長だけに、ケインの取引でも同様の対応を行うことが十分に考えられる。
トッテナムにとって、是が非でも避けなければならないのが、モドリッチがマドリーへ移籍交渉の際、練習の欠場やツアー不参加など少なくないいざこざがあった事をレヴィ会長は苦慮している。
トッテナムにとって、2度目の失敗は許されない。そのため、ケインの代理人へマドリー移籍を許可する方針であると伝え、移籍を許可する方針である事を伝えたようだ。
現時点では、ケインの胸中は聞こえてこないが、代理人手動でマドリー移籍交渉が進められることになるかもしれない。
フロレンティーノ・ペレス会長も、ケインを喉から手が出るほど欲している選手の一人だと伝えられている。
報道が事実であれば、今季のシーズンが折り返したこのタイミングで、売却を示唆するコメントを残したことは、何か裏があってもおかしくはないだろう。
とはいえ、文字通りとればマドリーにとってケイン獲得のチャンスが舞い降りてきた事を考えると、ことは有利に進めることができるかもしれない。
無論、トッテナムが無策でいるという条件が必要となるわけだが。
すでに“ BBC ”解体を画策するマドリーの首脳陣。だが、ジネディーヌ・ジダン監督は、未だこの“ BBC ”を擁護し続けている。
ペレス会長にとって、新戦力獲得の最大のライバルはクラブ内に存在する事を正しく理解することが大切。
ペレス会長を筆頭に一部の幹部は、ジダン監督の采配をさほど高く評価していない。
トレーニング内容を見ても分かる通り、一昔前のトレーニングを採用しているという点もクラブフロントを失望させる一つの要因となっていた。
ペレス会長は、ジダン監督を15-16シーズンを最後に解任を言い渡すとされていた。
だが、このシーズン、チャンピオンズリーグ制覇を成し遂げ結果を残してしまっただけに、クラブ首脳陣は解任する材料がなかったのが現状だ。
だが、今季に限っていえば話は別。来季チャンピオンズリーグ出場権が確保できるリーグ4位以内でフィニッシュすることが最低限のノルマであり、悲願であるチャンピオンズリーグ3連覇を軸として戦っていく必要がありそうだ。
ジダン監督就任後、クラブ側からビッグネーム獲得の打診を受けたものの、それらをことごとく拒否し続けてきた。
特に、補強のプライオリティの最も高い守護神のポジションに、アスレティック・ビルバオ所属のGKケパ・アリサバラガ獲得を逃したことは、向こう5年間は苦しい立場を受け入れなければならなくなる。
一説によると、ジダン監督はケイン獲得に否定的な意見を持っているとも言われている。
現スカッドを重要視するという姿勢は、間違いない選択だが、補強の先送りは世代を客実に1歳上積みされることとなる。
近年になかったペレス会長の戦力の押し付けを、久々に見れることとなるのか注目が集まりそうだ。